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黄昏は雨の日に

あろーん

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THE CHILDREN OF GODS.――泣きたいほどの。――/3

 3/wonder rabbit.


 姉がやってきたことは、秀一を非日常へ誘った。

 桜華が側にいること――それだってすでに非日常なのに、さらに父親を殺す訓練をする、守護獣を使いこなす――もはや過去の生活は戻ってこないような気がする。いや、それから抜け出すための非日常なのだ。
 秀一は期待を抱く。けれどどこか浮かない心。なんだろう、思い当たる節は――いくつも、ある。

「ああ……」
 ため息とも詠嘆ともつかぬ声を出して、秀一はモップの柄に顎を乗せた。今日は昼間にシフトをいれた。夜、大きな訓練をするらしい。なんだかんだ言って、秀一はまだ暗黒魔を引き出すだけで精一杯だ。
 守護獣は普通の状態では具現化しない。極端に言えば、力には神子の力と守護獣の力があり、神子の力で足りなくなると、守護獣の力が使われる。過ぎた力の使用は異界からのサポートでは足りないから、具現化――姿を現して、助力するのだ。
 あいにく秀一は暗黒魔の力を使ったことが一度も無い。そのへんの喧嘩なら神子の身体能力で事足りる。
 暗黒魔は交戦的でこれが気に入らないらしく、平凡な日常に飽いていた。三鬼は元より最強の三匹――すなわち、力の過使用以外でも自力で具現化できるのだ。しかしそこにもルールがあり、宿主の神子が望まない限りは出られない。さらに、神子が力の"気"を外界に流すことによって出現範囲が決まる。秀一はその点について、あまりにも無知だった。桜華により、"意識する"ことで現われると言われ、やっと出現させた。それ以後は、暗黒魔は勝手に現われたり消えたりする。
 これに慣れるまでは、まだ力は使えない、と桜華が判断したのだ。
(――あいつも、敵なのに)
 桜華は敵だ。異母キョウダイ。彼女に罪は無いけれど、憎むべき相手。
 彼女は言った。「暇つぶし」だと。
「なに考えてるんだか……」
 知った事ではない。しかし仕返しをするならば、なりふり構っていられない。
(……ん?)
 秀一はふと言葉に違和感を覚えた。なんだろう、どこだ?
「百合川くーん、掃除終わったかい?」
「あ、すんません今」
 店長の声で我に返り、彼はまた"日常"へ戻った。


――――――――――――――――――――

なんか長さ中途半端になるのでここで切り。

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