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黄昏は雨の日に

あろーん

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理由はいつも「好きだから」

 身体とかお金とか、その程度の女と思われているのではないかと不安になる。

「何言ってるの、好きだよ。」
 あなたは、そう、言うけれど。蛇口をひねれば熱いシャワーが私を濡らした。身体中をこすって、早く早く洗い流したい、と思うなんて、初めての夜には思わなかった。
「ごめんなさい」
「どうして?」
「ごめんなさい、ごめんなさい」
 あなたは首を傾げて怪訝な顔を作ってばかり。お互いがお互いに、わかりあえないのね、私たち。あなただけは本当にわからない。きっといつまでたっても、理解不能。
 きっとそんなところに惹かれたんだって、そう思っている。
「一緒にいたくて、いたくて、しょうがないんだ。だから、」
「うん」
 うん、そうだった。わかってるし、覚えてるし、知ってる。でも、でもね、

「ごめんね」
「すきなの」
「別れよう」

 ごめんね。どうしたって、好きだからこそ苦しいの。
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無題

 恋をして死ぬ女だと、そう思った。

「あら、存じて居りましてよ」
 恋をして死ぬ女だと思った。身を滅ぼして死ぬのだ。そして幸せに死ぬのだ。最後の件は私の希望だった。
「貴方が私をすきな事」
「……当たり前だ、許婚なのですから」
 私はなるべく冷たく言った。けれど彼女は知っている。恋で盲いる女ではなかった。
「ねえ、時雨さん、私幸せよ」
「皮肉ですか」
「貴方も幸せに為ってね」
 窓辺に立つ彼女の腰に腕を回せば、彼女は素直に寄りかかって来た。抱き締めようと思えばいくらでも出来るのに、心だけは此処には無い。其れが彼女が私の腕の中にいる理由である。気持ちが揺るがない。だから平気なのだ。
「お父様にはやっぱり許して頂け無かったから、心中しようと思うの」
 天気のことを話すかのような彼女の口調に、私が鬱陶しくも愛しくも思っている彼女の強さを、感じた。私は黙って聞いて居る。彼女は華族に生まれるべきでは無かったのだ。若しくは私が居なければ、この様な事には為らなかったかも知れない。
 そして彼女は死を選んだ。それはもっとも単純(シンプル)で、ニヒリスティックな結末だった。
「生きる事に意味なんて無いのよ。恋して、私は死ぬ。人は其の為に生まれたのだわ」
「香代子」
「其れが赦されない恋だとしても、私は幸せよ」

 翌日何処ぞの無名浮世絵師と香代子の死体が見つかった。どうやら服毒した様だった。薬を手配したのは私だ。彼女は安らかに死んでいった。

 そして私の手元には、心も身体も残っては居無いのだ。







掃除してたら出てきた文章。棚の奥に眠ってた。いつのだろ…

THE CHILDREN OF GODS.――泣きたいほどの。――/6

6/Living Dead.


THE CHILDREN OF GODS.――泣きたいほどの。――/5

5/Somewhere in the world.


THE CHILDREN OF GODS.――泣きたいほどの。――/4

4/Flame of hell.


 夜闇は二人の気配を隠した。

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誕生日:
1990/03/08
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自己紹介:
国立S大学の工学部生。おんなのこに日々飢えています。

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